役所広司カンヌ男優賞2023|
67歳PERFECT DAYS演技力解析
2025年7月12日更新

2023年カンヌ映画祭で男優賞を受賞した役所広司さん(PERFECT DAYS)
この記事の目次
「年齢を重ねることで、より深い表現ができるようになった」
— 役所広司さん
皆さん、こんにちは!グランパです。今日は2023年カンヌ映画祭で男優賞を受賞した役所広司さんについて、その演技力の秘密を徹底解析していきたいと思います。
67歳にして世界最高峰の映画祭で栄冠を手にしたこの快挙は、単なる偶然ではありません。40年を超える俳優人生で培われた技術と、人生経験が結実した結果なのです。
役所広司カンヌ男優賞受賞の歴史的意義

カンヌ映画祭授賞式での役所広司さん
2023年5月27日の歴史的瞬間
第76回カンヌ国際映画祭の授賞式で、役所広司さんの名前が呼ばれた瞬間、会場は静寂に包まれました。そして次の瞬間、温かい拍手が会場全体に響き渡ったのです。
この受賞は、2004年の柳楽優弥さん以来19年ぶりとなる日本人男優の快挙でした。しかも、67歳という年齢での受賞は、世界に向けて「演技に年齢の壁はない」ことを証明した瞬間でもありました。
なぜこの受賞が特別なのか?
カンヌ映画祭は世界三大映画祭の一つ
67歳での受賞は異例の快挙
日本映画界への国際的注目度向上
「この年齢になって、こんな素晴らしい賞をいただけるとは思いませんでした。これは私個人の栄誉ではなく、日本の映画界全体にとっての喜びだと思います」
— 役所広司さん(受賞後のコメント)
カンヌ映画祭での日本人受賞歴
PERFECT DAYS
誰も知らない
うなぎ
PERFECT DAYSが世界を魅了した理由

作品詳細情報
監督:ヴィム・ヴェンダース
主演:役所広司
公開:2023年12月22日
上映時間:123分
舞台:東京・渋谷
職業:公共トイレ清掃員
ジャンル:ヒューマンドラマ
言語:日本語・英語
物語の核心
平山正木という名の清掃員が主人公の本作。彼は毎日、渋谷の公共トイレを丁寧に清掃し、規則正しい生活を送っています。表面的には単調に見える日常ですが、役所広司さんの演技を通して、その奥深い精神世界が浮かび上がってきます。
静寂の美学
言葉に頼らない演技が本作の最大の魅力です。朝の支度、缶コーヒーを飲む瞬間、音楽を聴く時間——これらすべてが役所広司さんの表情と仕草だけで深い感動を与えます。
微細な表情の変化で感情を表現
手の動きや姿勢で人物の内面を描写
沈黙の中に込められた豊かな感情
普遍的なテーマ
日常の中に見つける小さな幸せというテーマは、文化や言語の壁を超えて世界中の観客の心に響きました。特に現代社会で忙しく生きる人々にとって、平山の生き方は新たな価値観を提示します。
どんな仕事にも尊厳がある
単純な生活の中にある豊かさ
人間の基本的な善良さ
「彼(平山)は特別なことは何もしていません。ただ、毎日を丁寧に生きているだけです。それが実は一番難しいことなんです」
— ヴィム・ヴェンダース監督
67歳で見せた円熟の演技力
経験が生み出す深み
67歳という年齢だからこそ表現できる深みが、PERFECT DAYSでは随所に現れています。若い頃には表現できなかった、人生の重みや静謐な美しさを、役所広司さんは見事に演じ切りました。
演技のキーポイント
内面の静寂を表現する技術
台詞に頼らない感情表現
日常動作の美しさを演出
年齢を活かした存在感
役作りへのアプローチ
本作のために、役所広司さんは実際の清掃員の方々と時間を過ごし、その仕事の尊厳と美しさを体感しました。この実体験が、演技に真実味を与えています。
準備プロセス
実際の清掃員への取材と観察
清掃業務の実体験
役柄の内面世界の構築
監督との綿密な打ち合わせ
国際的な評価
カンヌ映画祭
男優賞受賞
批評家協会
絶賛の嵐
世界各国
上映・配給決定
役所広司の演技人生と代表作品

若き日の役所広司さん
演技人生の始まり
1956年1月1日、長崎県生まれの役所広司さん。実は最初から俳優を目指していたわけではありませんでした。区役所で働いていた青年時代、運命的な出会いが彼の人生を変えました。
転機となった出来事
区役所勤務時代の演劇との出会い
仲代達矢主宰「無名塾」への入塾
本格的な演技修行の開始
代表作品の軌跡
1980年代:基礎を築いた時代

「タンポポ」(1985)
伊丹十三監督
国際的注目を集めた代表作
「鬼龍院花子の生涯」(1982)
存在感を示した重要作品
1990年代:飛躍の時代

「うなぎ」(1997)
今村昌平監督
カンヌ・パルムドール受賞作品
「Shall we ダンス?」(1996)
日本アカデミー賞主演男優賞
2000年代〜2010年代:円熟期
「バベル」(2006)
ハリウッド進出
「アフタースクール」(2008)
エンターテイメント性
「13人の刺客」(2010)
時代劇での存在感
2020年代:新たな頂点へ
「すばらしき世界」(2021)
社会派ドラマの傑作
「PERFECT DAYS」(2023)
カンヌ男優賞受賞
世界が認めた日本の演技力
海外メディアの評価
The Hollywood Reporter
「役所広司の演技は、言葉を超えた深い感動を与える。彼の存在そのものが映画に静謐な美しさをもたらしている」
2023年5月28日
Variety
「67歳にして、これほどまでに瑞々しい演技を見せる俳優は稀有である。役所広司は真の芸術家だ」
2023年5月28日
国際的影響力
日本映画への海外投資家の関心増加
アジア系俳優の地位向上
シニア俳優の活躍機会拡大
日本文化への理解促進
業界への波及効果
若手俳優への刺激と目標
演技に対する社会的評価向上
国際共同制作の機会増加
文化交流の促進
「役所広司の受賞は、日本映画界にとって新たな扉を開いた。これからもっと多くの日本の俳優が世界の舞台で活躍することを期待している」
— 是枝裕和監督(国際的評価コメント)
今後の展望と期待
今後の予定作品
「八犬伝」(2024年公開)
滝沢馬琴の名作を28年かけて映画化した超大作エンターテイメント
共演:河合優実、中村獅童、尾上右近
「雪の花」(2025年公開予定)
江戸時代末期の医師役で松坂桃李、芳根京子と共演
役柄:蘭方医・日野鼎哉
国際的活躍
カンヌ受賞を機に、さらなる海外作品への出演が期待されます
後進指導
豊富な経験を活かした若手俳優への指導も注目されています
新境地開拓
監督業や文筆活動など、新たな分野への挑戦も期待されます
「演技に正解はない。だからこそ、毎回新鮮な気持ちで役と向き合えるんです。67歳になった今でも、まだまだ学ぶことがたくさんあります」
— 役所広司さん(2023年インタビューより)
よくある質問
グランパからのメッセージ
皆さん、役所広司さんの素晴らしい軌跡をたどってきて、いかがでしたか?67歳にしてカンヌ映画祭男優賞という偉業を成し遂げたその背景には、若い頃からの地道な努力と、年齢を重ねることへの前向きな姿勢がありました。
私たちシニア世代にとって、役所広司さんの存在は大きな励みです。「年齢は数字に過ぎない」「経験こそが最大の財産」ということを、身をもって示してくださっています。
若い読者の皆さんには、役所広司さんの一貫した姿勢と継続的な努力から学んでいただきたいと思います。一夜にして成功を収めたわけではなく、長い年月をかけて積み重ねてきた結果が、今の輝きなのです。
「人生に遅すぎることはない。今からでも新しい挑戦は始められる」
— 編集長グランパより愛を込めて